こんにちわ。ぴぴねこです。
本日は、森見登美彦さんの「太陽の塔」をご紹介します。
太陽の塔といえば、皆様もご存じのように大阪にある岡本太郎さんがデザインしたあれですよね~。ワタクシは残念ながら実物を見たことはありませんが、この本を読んで太陽の塔に思いを馳せてみようかと思います。
この本との出会い
森見登美彦さんといえば、「ペンギンハイウェイ」や「夜は短し歩けよ乙女」などちょっと不思議で甘すっぱくてちょっぴり笑える小説が多いですよね~。そんな中でもこの「太陽の塔」はかなり異色の作品でして、もう…男くさいのなんの…こう言った男くささが、どのように太陽の塔に関わるのか…ということに興味を持ち手に取ってみたわけです。
読んでみた感想
大学生が紗に構えたというのか、ひねくれたというのか…素直で正直なんだけど、それをそのまま言ったのでは悔しいからなのか…非常にとんがった感じの語り口調が面白いです。それも、大学5年生の一人語りです。
舞台は京都、花の都で繰り広げられる男子大学生のせつない恋の物語ですが、読む人の年齢によって感想は全然違うんだろうな~っと思います。
我々、中高年以上の読者であれば、うんうん、若い時ってそうだよね~。っと微笑ましく読めますが、主人公に年齢が近くなればなるほど「その通り!」っと拍手喝采だったり「いやだなぁ~」っと侮蔑な視線を送ったりするのではないかと思います。また、女性がこう言った本を読んだ感想を聞いてみたいなぁ~っとも思いますね。
ワタクシは、当初の不穏な雰囲気から三島由紀夫の「金閣寺」よろしく大事件が起こるのでは…とヒヤヒヤしていましたが…何も起こりませんでした。…いや、事件が起きることは起きた…四条通りと河原町通りの…あの交差点でクリスマスイブに…何が起きたのかは、皆さんで読んでほしい…いや…そんなに期待されても困るかもしれないが…。
ただ、太陽の塔がなぜ関係して来るのか…ん~本のタイトルになるほど関係してないと思いますが…鴨川等間隔の法則とかそんなタイトルでも良かったのでは…。
名言と迷言の数々
この本を読んでいると「名言だ…」と思ってしまい、2、3回復唱してしまうことがあります。そんな物議を醸してしまうような名言と迷言を紹介しましょう。
まず、のっけからこう…
『何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずないからだ…』
そして…
『我々の日常は90%は、頭の中で起こっている。』
確かに…
『腰の据わっていない秀才よりも、腰の据わっている阿保の方が、結局は人生を有意義に過ごすものだよ』
なるほどね~。
どうです? 面白いでしょう?そして、最後は…
『何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。そして、まあ、おそらく私も間違っている。』
で、締めていいます。なるほどね~。
まぁ、色々とご意見などはあるとは思いますが…小説を読んでいて、さらりっと出て来てしまう名言と迷言の数々に「ん?なんだなんだ」と思い、数回読んでいると…なるほどね~っと…。その時はすでに森見ワールドにどっぷり潜ってしまっているのです…。
この本はどんな人におススメなのか…
これはもちろん男性に…しかも中高年以上の男性に読んで欲しいですね。自分にもそんな頃があったことを思い出し、夜な夜な枕を濡らすもよし、同じ年ごろのお子さまに想いを馳せるのも良いと思います。ただ、男くさい小説なので感想を聞いてみたいという…ただただ興味本位から女性にも読んで欲しいと思いますね~。そして、女性の目線で読むとどう感じるのかを教えてください~。
森見さんのおススメの本
森見さんもおススメの本がたくさんありますよね~。紹介するために選ぶのも大変なんですが、色々あるのですが、森見ワールドにどっぷり浸れるような…もう逃げ出せなくなっていまうような作品を集めてみました。
- 有頂天家族1・2 幻冬舎文庫 825円 人に化けた狸と天狗のドタバタファンタジー
- 夜は短し歩けよ乙女 角川文庫 616円 さえない男子学生の恋愛ファンタジー。
- 美女と竹林 光文社文庫 628円 森見さんのエッセイ、森見さんの妄想が爆発?
- 夜行 小学館文庫 671円 森見さんによるホラー小説かな…。
- 森見登美彦の京都ぐるぐる案内 新潮文庫 605円 小説の舞台にもなっている京都を堪能
まとめ
というわけで、森見さんの「太陽の塔」を紹介させていただきました。森見さんの小説は京都を舞台としたものが多いので、京都の方かと思っていましたが出身は奈良のようですね。大学が京都だったのでお詳しいのですね~。京都の街並みが目に浮かぶようです。
森見さんは、この「太陽の塔」で賞を取ってデビューなさっているので、もしかすると…この小説にでてくる男子大学生の中に、森見さんがいらっしゃるのかもしれませんね~。そんな風にして読むと、また色々と勘繰りたくなりますし…妄想が膨らんじゃうかもしれませんね~。
コメント