真夜中のパーティを読んでみた。

文芸書

 こんにちわ。ぴぴねこです。
 今回は、岩波少年文庫からご紹介しましょう。
 大人になると、難しい本ばっかり読んで、頭がカチコチになってしまいます。
たまには、子ども達と同じ目線で、子ども達のように本を読んでみるのも良いかもしれません。
駆け引きとか伏線とか余計な事を考えない。単純に読んだままの世界を広げてみる、
そんなのんびりした読書もいいものですよね~。

この本を読んだのはなぜ?

 子ども達に少しでも読書をと思い購入しましたが、しばし放置されていたので自分で読んでみました。せっかく一緒にと思っていたのですが、あまり興味を引かなかったようです。
 真夜中のパーティーとはとても怪しげで、魅惑的なタイトルだと思うのですが…
子ども達が言うには「なんで夜中にパーティするの?怖いじゃん」とのこと…。

素朴な感想

 読んでみましたが…まぁ、今どきの小中学生に読ませても「つまんない」と思うかもしれませんね~。特に大事件や大冒険があるわけでもなく、日常の生活の中でのちょっとした出来事が物語になっています。自分たちの子どもの頃にもあったけど、大人になると忘れてしまったり、大したことじゃなくなってしまうような、そんな感じのこと。
 例えば、草むらに踏みしめられた道があったり、川の側道がどこまで続いているのか気になったり、子ども同士で発見したものを隠しておいたり、大人から見れば他愛もないことが子ども達にとっては大きな謎であったりとか…そんな感じのこと。
 まぁ、今の子ども達にもあるとは思いますが…iPadやGoogleマップを駆使するのが現代の小中学生ですから、どんなことに興味を惹かれるのか、川の側道がどこまで続いているのかなぞ、気にならないのかもしれません。「この道は、どこにつながっているのかなぁ~」という言葉は死語になりつつありますね…。
 ただ、非常に世界が広がっている感がありますね。その風景や子どもたちがイメージできて、本を読み終わっても子ども達の生活が続いているような…想像できるような気がします。本当に、子ども達の日常を切り取った感のある作品ばかりで、作者の観察眼にびっくりします。

どんなお話なの?

 この本は短編集です。日常的な8つの出来事があります。面白かったのは、「川のおくりもの」と「ふたりのジム」、二人のジムはほのぼのとした出来事のラストに爽快感あふれる斬新な出来事がありまして…おじいさん大丈夫なの?という感じで楽しかったです。
 また、「川のおくりもの」は、お兄ちゃんの心理を巧みに表現しているな~っと思いました。たぶん…世の中のお兄さんお姉さんは納得しながら、苦い思い出を思い出してしまうかもしれません。本の中では、兄弟ではなく従弟で年上のお兄ちゃんが面倒をみていて…という…うん。この本のなかで、一番ドキドキしちゃいましたね。

 その他にも、近所の冒険譚としては「カッコウ鳥が鳴いた」。少年の成長を描いた「アヒルもぐり」。アメリカのテレビでよくありそうな「真夜中のパーティ」。どれもこれも、少年少女の微妙な心を描いた面白い話ばかりです。かつての少年少女の方が十分に楽しめると思います。

どんな人におススメなの?

 この本を今の子ども達が読んでも、共感というよりは…昔の子ども達はこんな感じだったんだね~という驚きの方が強いかもしれません。ですので、「あぁ~、わかるわかる」とか「そうそう、やったやった」と共感できるのは昭和世代かもしれません。
 ワタクシのようなおじさんが岩波少年文庫を読んで「うんうん」うなずいているのも変ですが…我々世代が読んで楽しめる本かもしれません。今の子ども達には…夜の本当の暗さがわからないかもしれないですね~。

ほかのピアスさんの本

 作者のフィリパ・ピアスさんは、児童文学の作家さんですので同じ岩波少年文庫の本を中心にご紹介しましょう。ちなみに、ワタクシはアメリカっぽいなぁ~と言いましたが、イギリスの方です。

  1. トムは真夜中の庭で 岩波少年文庫 この作品が一番有名、時計が13回鳴ると…。
  2. まぼろしの小さい犬 岩波少年文庫 少年の心の葛藤をくっきり描いた傑作。
  3. ハヤ号セイ川をいく 青い鳥文庫 夏休みの冒険と友情を描いた、男の子必見!
  4. ひとりでおとまりしたよるに 徳間書店 おばあちゃんの家におとまりしたしみじみとした夜は…。
  5. 川べのちいさなモグラ紳士 岩波書店 ピアスさんの初めての長編小説で少女と不思議なモグラの話。

 これら以外にも、あると思うのですが…有名なものしか紹介できませんでしたが、あまり読んだことある~という方が少ないので、ぜひ、読んでみてください~。

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